旧ブログからの転送:http://responsive.aruweb.net/seo/transfer301/

サイトのリニューアルだけにかかわらず、「転送」という言葉は頻繁に登場します。

  1. サイトドメインが新しくなるので全般的に変更する必要がある
  2. 不要なページを削除したいけれど、1ユーザーでもアクセスがあるなら転送したい
  3. プロモーション用のチラシに載せるURLを簡単にしたい
  4. プロモーション用のチラシからサイトに来る人だけを簡単に計測したい
  5. 使わないURLがネット上に存在するので、検索エンジンにインデックスされないようにはしておいたが、念のため転送しておきたい

この備忘録を書いているのは自分のブログで「5」が理由なのですが(親ドメインを使わない仕様でWordpress構築をしたかったので、苦肉の策)、一般的にページに直接記述する超カンタンな、

<meta http-equiv="refresh" content="0;url=http://転送先URL">

は、SEO上良くない!というのを散々ブログ記事などでお見かけしたので、これを機会にカンタンに整理してみました。

どの転送方法が一番問題ないの?~301リダイレクト

まず、この方法で問題ないだろう!というのが「301リダイレクト」です。

HTTPステータスコード

そもそも、「この301って何さ?」ということですが、一般的によく目にする「404エラー」(Not Found、ページが見つかりません)の種類違いになります。ブラウザに表示される数値は「HTTPステータスコード」と呼ばれ、ユーザーがブラウザから要求した内容をサーバーが状況により返してくる答えを3ケタの数字で表しています。(詳しくはWikipedia:HTTPステータスコードをご覧ください)

この、HTTPステータスコードはサーバーから返され、それに合わせてブラウザが表示してくれるので、ページのデザインはブラウザによって異なります。

また、サイト固有のデザインにするには専用のページを作成し、.htaccessで設定すれば、それを表示させることもできます。きちんと作る制作会社であれば言わずもがな用意してくれそうですが、

.htaccessで設定って?

転送やサイト上の設定で頻繁に出てくる「.htaccess」とは、サーバーに上げてあるファイルの一つで、ディレクトリ(フォルダ)毎に置くことができる設定のためのファイルです。

この「.htaccess」に記述をすることで、簡易認証(ベーシック認証)が使えるようにしたり、HTTPステータスコードの表示ページにデザインを入れたり、転送をさせたりすることができます。(詳しくはWikipedia:.htaccessをご覧ください)

記述自体はさほど難しくありませんが、ノン開発者・制作者であればそこまで知る必要はありませんので、記述するだけでカンタンに色々できる、ということだけ覚えておきましょう。

301リダイレクト

前置きが長くなりましたが、301リダイレクトは恒久的な転送をする場合に利用します。恒久的、つまりずっとその転送を維持したい場合に利用されるため、ページがなくなって別のページに転送する場合にはぴったりなのです。

301リダイレクトを設定するには、.htaccess

RewriteEngine on
RewriteRule ^old.html$ http://転送先URL/転送先ディレクトリ/転送先ページ [R=301,L]

と加えるだけですので、Webの担当者があまりSEOなど気にしない場合には(それはそれで問題ですが…)「301でよろしくね」と念を押すといいかもしれません(私の経験では、システム担当者も転送と云えばREFRESHで済まそうとする人がいるので、ここでも念押し!)。

  • ※.htaceessの記述は利用しているサーバーなどの設定により異なります。基本は上記の通りですが、「必ずできる」わけではないので注意が必要です。

引越転送の注意点

ドメインの変更なども、301で設定すればOKなのですが、ひとつ注意事項が。

ページ数が多いサイトでよく見かけるのですが、どのページにアクセスしてもトップページに転送する場合があります。これはGoogleも好きではありませんので極力しないようにしましょう。もし、ドメインが変わるだけでページ構成が変わらないのであれば、これも.htaccessの記述で解決できます。

RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(古いドメイン)(:80)? [NC]
RewriteRule ^(.*) http://新しいドメイン/$1 [R=301,L]

しかし、そもそもURLが変わること自体がSEOにはあまりよくありません。Googleで推奨されている方法ではありますが、皆さんが指標としてなんとなく知っている「PageRank」が落ちるらしいです。(そもそもPageRank自体、さほど気にする必要がないと私は思っているのですが…)

ですので、よっぽどの理由がない限りはドメインの引越はしないほうが無難です。

放置したらどうなる?

ここまで転送することを前提と話してきましたが、では放置したらどうなるのでしょうか。

404エラーが表示される=場合によってはユーザビリティの低下大

転送されずに削除されたページに検索サイトやお気に入りからユーザーが訪問した場合、もちろん404エラーが表示されます。そのサイト自体が生きているのなら、検索機能や目視で探したりできますが、大抵のユーザーはそこで別の検索結果のサイトを探しに行くのではないでしょうか。

訪問してくれたユーザーを逃すことになりますので、適しているページがあれば必ず転送しましょう。

404エラーはSEOに影響するのか

404エラーだらけのサイトであっても、それが理由で表示順位に影響はないそうです。(参考:404エラーは数が多くてもクロールとインデックス、ランキングに悪い影響を与えない

だからと言って、ユーザビリティが悪いことに代わりはありません。会社自体がなくなって、サイトを持つ必要がなくなった…以外は、きちんと転送をして、ユーザーを正しく誘導しましょう。

転送に関するまとめ

カンタンにと云いつつ、長くなってしまいました…。要は以下の3ポイントです。

  • ページの転送が必要な時は、極力「301リダイレクト」で実施する
  • トップページにまとめて転送するのでなく、1ページずつ適したページに転送する
  • URLは極力変更しないようにする