2年ぶりぐらい?に、アプリのリリースに関わりました。
企画やワイヤーフレームなどはすでに仕上げておりデザインのツッコミも終わったので、オブザーバー的な立ち位置でビジネスチャットのやりとりを眺めていたら…App StoreとGoogle Play申請関連の課題シートが流れてきました。内容としては、修正せずには出せない…そんなレベル。つい先日、すでにリリース済みの自社アプリが、カタカナの商品名で検索できないことを発見し、App StoreやGoogle Playのアプリ名や説明文を変更しましたが、マーケティングの観点でのタスクや注意点をまとめてみようと思います。
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ASO(アプリストア最適化)の考え方
ASO(アプリストア最適化)をするには、二つの目的があると考えます。(もともとはApp Store向けの考え方だったのか「アップストアの最適化」としている説明がネット上に多くありますが、ここではGoogle Playも含むため「アプリストア最適化」としています)
一つは、アプリストアに来たユーザーにアプリを探し出してもらい、ユーザーの目に留まること。もう一つはユーザーの目に留まった後にアプリの詳細ページで、ユーザーにアプリを理解して選んでもらうことです。
「アプリストアに来たユーザーにアプリを探し出してもらい、ユーザーの目に留まること」は最初の登録時に必ずやるべきことと、ダウンロード数増加やランキングなどに表示されるための施策と二つに分けられますが、ここでは最低限やるべきことに限ってまとめたいと思います。
例えば、『ビジネスチャット』でApp Storeを検索すると…
ユーザーがアプリ名ではなく用途からアプリを探す場合、そのものが「何であるか」を示すキーワードでアプリストアの検索ボックス⇒検索結果と進む場合が多くあります。この導線は新規顧客を得る上でとても、既存顧客を迷わせないためにもとても重要です。
App Storeで「ビジネスチャット」で検索すると、上位3つに表示されるアプリの正式アプリ名には『ビジネスチャット』というキーワードは含まれていませんが、副題のような感じで(アプリストア表示用)アプリ名に「仕事で使えるビジネスチャットツール」といった感じに「ビジネスチャット」という言葉が含まれています。
App Storeには「Keyword」登録ができるので、そこに「ビジネスチャット」があるかどうかは判りませんが、むしろ「Keyword」よりも(アプリストア表示用)アプリ名が大きく影響しているようです。というのは、4つ目と6つ目はビジネスチャットではありませんし、LINE WORKSには説明には「ビジネス」「コミュニケーション」と言った、ビジネスチャットに通じるようなものの、タイトルにはありません。また、7つ目以降にもビジネスチャットと説明しているものはありますが、(アプリストア表示用)アプリ名には「ビジネスチャット」は含まれません。(説明を読む限り、Keywordに含めそうな重要ワード)
(アプリストア表示用)アプリ名に含まれているものが優先で、その後は説明などテキスト全体から関連ワードを拾う&Keywordと、(App Storeが)関連性が高いと考えるものを上位に表示しているのではないでしょうか。
Google Playで『ビジネスチャット』と検索すると…
App Storeとは異なる順位で表示されますが、詳細ページを見てみると、やはり上位に表示されるのは(アプリストア表示用)アプリ名に「ビジネスチャット」と入っているものです。(アプリによっては2つのアプリストアでASO対策度合が異なるものが見受けられます)
10位のアプリは詳細説明には「ビジネスチャット」と入っているのですが、(アプリストア表示用)アプリ名には入っていません。11位も同様でしたので、App Storeと同じ優先順位付けをしていると考えられます。
検索に重要!アプリストアのアプリ紹介に表示されるテキスト
アプリ申請時に登録する、アプリストアで掲載されるテキストには複数の種類があります。それぞれ注意点をまとめてみました。
App Store(iOSアプリストア)
項目名 | 用途 | 仕様 | 注意点 |
---|---|---|---|
App Name (名前) |
App Storeで表示するアプリ名 | 最大50文字 (iOS11以降は30文字) |
正式なアプリ名のほか、重要なキーワードを入れる (以前は文字数がもっとあったが、Subtitleができたため減ったと思われる) |
Subtitle | iOS 11以降の端末向け App Storeのアプリ名の下に表示されるアプリの概要 |
最大30文字 | 検索にも関わると思われるのでキーワードと解りやすさを意識。『世界一の』などの一般的な言葉は避けるべきとされている |
Description (概要) |
App Storeの詳細ページで表示されるアプリの説明文 | 約4,000文字 | 検索に関わるので、キーワードを意識したほうが良いが、公式ガイドライン上に「キーワードは含めてはいけません」とあるので過剰は禁物(リジェクトの可能性あり) |
Promotional Text (プロモーション情報) |
iOS 11以降の端末向けApp Storeの説明文の上に表示。主にイベントなどの『最新情報』の表示が目的 | 最大170文字 | 検索にも関わると思われるのでキーワードと解りやすさを意識 |
Keyword (キーワード) |
検索キーワード | 複数のキーワード カンマ(,)で区切り 約100バイト以内 |
アプリ名、会社名の正規表現はキーワードに登録しなくても検索ワードとして自動的に設定されるが、表記のゆらぎ(漢字カナ違いなど)の登録はすべき(他社アプリ名・カテゴリ名を入れた場合はリジェクトの可能性あり) |
Categories (カテゴリー) |
App Store上の分類 | 既存カテゴリより選択 | プライマリとセカンダリで2つ設定 検索にも関わるので用途に直結するカテゴリを選択 |
※文字数はすべて1バイト文字の文字数(全角文字は約半数)
参考:App Store 登録周りのテキストについては
Google Play(Androidのアプリストア)
項目名 | 用途 | 仕様 | 注意点 |
---|---|---|---|
タイトル | Google Playで表示するアプリ名 | 最大30文字 | 検索に関わるので、不自然ではないように最重要キーワードを含める。例えば、英語名ならカタカナ名やよく使用される呼び名など(関係ないことを書くとリジェクトの可能性あり) |
簡単な説明 | アプリの詳細ページに表示される最初のテキスト | 最大80文字 | 検索に関わると考えられるのでキーワードを含める(関係ないことを書くとリジェクトの可能性あり) |
詳細な説明 | アプリの詳細ページに表示される長いテキスト | 最大4,000文字 | 検索に関わると考えられるのでキーワードを含める(関係ないことを書くとリジェクトの可能性あり) |
カテゴリ | Goolge Play上の分類 | 既存カテゴリより選択 | 検索にも関わるので用途に直結するカテゴリを選択 |
※文字数はすべて1バイト文字の文字数(全角文字は約半数)
理解度向上に重要!アプリストアのアプリ紹介に表示される画像
ユーザー理解(アプリの魅力や用途)を得る上でテキストと同じぐらい重要なのが、アプリの詳細ページに表示されるキャプチャ画像です。「キャプチャ画像」とは呼んでいますが、現在ではただキャプチャした画像ではなく、部分的に拡大したり、テキストを付与するなどプロモーション的要素が増えています。
画像は目につきやすいですし、解りやすくもできますので重要な要素と言えます。
App Storeで表示される画像と関連するテキスト
項目 | 用途 | 仕様 | 注意点 |
---|---|---|---|
App Icon | App Storeとスマホのホームなどに表示 | サイズなどの詳細:App Icon | アプリの「顔」と言えるもの。アプリの内容を凝縮した解りやすく個性的なクリエイティブにする |
アプリ名 | ホームでアイコン下に表示 | 全角6文字・半角12文字程度 | 解りやすさが大事。長すぎると三点リーダーで省かれてしまうので、実機で確認して必ず全文表示されるようにする |
App Previews | App Store アプリ詳細ページ | 3つまで | 操作を明示するような動画。UIの説明などに有効 詳細:App Previews |
Screenshots | App Store アプリ詳細ページ | 5つまで | 「アプリのUIから取得した画像」が基本だが、アプリのUXを視覚的に伝えるため重要。特に最初の2つのスクリーンショットは、アプリのプレビューが利用できないときに検索結果に表示されるため重要で、かつiPhoneなどでは2つ並んで一覧で表示されることも考慮したクリエイティブにする |
Goolge Playで表示される画像と関連するテキスト
項目 | 用途 | 仕様 | 注意点 |
---|---|---|---|
アイコン | Google Playとスマホのホームなどで表示 | サイズなどの詳細:App Icon | アプリの「顔」と言えるもの。アプリの内容を凝縮した解りやすく個性的なクリエイティブにする |
アプリ名 | ホーム画面でアイコン下に表示 | 全角6文字・半角12文字程度 | 解りやすさが大事。長すぎると三点リーダーで省かれてしまうので、実機で確認して必ず全文表示されるようにする |
スクリーンショット | 必須2枚~8枚まで JPEGまたはPNG(24bit、アルファなし) 最小サイズ320px 最大サイズ3,840px | App Storeと違い、比率に関する制限もゆるいため閲覧デバイスにより大きさ・表示がかなり異なる。1枚目に重要な・目を引く情報をもってくる Googleでは「色々な端末でのスクリーンショット」また「ビデオ」の掲載を推奨 |
ユーザビリティやUX!そのほかに考慮しておくこと
今までに出てきたことも含みますが、備忘録です。
- アプリのアイコンは、iOSは設定で角丸にできるので角丸アイコンにはしない。Google Playは透過も使えるが切り抜きをするとアイコンそのものが小さくなるので注意。それぞれ適したクリエイティブを選ぶ
- アイコン下に表示されるアプリ名は実機確認する
- スクリーンショットは一覧での見栄え、詳細での見栄え、端末ごとそれぞれを考慮して作成する(スマホで読めない文字は入れない)
- App StoreのSubtitleは機能しないデバイスがあるので、「表示名に適したアプリ名」をきちんと作成する
- アプリの詳細説明のテキストは、アコーディオンで隠されてしまう。App Storeは3行目、Google Playは5行目までに重要なこと(キーワードというより、ユーザー理解と言う視点で)を書ききるようにする