ふるさと納税、皆さん活用していますか?制度が変わり「ワンストップ特例制度」が登場してから確定申告もする必要がなくなり、私も2年前からはじめました。

きちんと手続きさえすれば面倒がない…と気楽に利用していたのですが、この度失敗をして、面倒な確定申告をすることになりました。今後の戒めも含め、確定申告の手順を記しておくことにしました。

普通の会社員なら「ワンストップ特例制度」でラクチン

「ワンストップ特例制度」とは、ふるさと納税の寄付金控除を、確定申告を行わなくても受けられる制度です。

ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」には申請条件が2つあり、どちらも満たしている必要がありますが、これだけで確定申告をする必要はなくなり気楽にふるさと納税に参加することができます。

  1. 寄付を行った年の所得に関連した確定申告が不要の人
    つまり、一般的な会社員で副業が無い・医療控除などの申告が不要な人は「ワンストップ特例制度」がほぼ受けられることになります
  2. 1年間のふるさと納税納付先自治体が5つまでの人
    これは、最初から「ワンストップ特例制度」を受けるつもりでふるさと納税をする必要があります
  3. おまけ:ふるさと納税先に申請した住所=翌年1月1日の住所
    住所変更があった場合は変更する手段があるそうですが、面倒が一切ないための条件として住所が同じことをあげておこうと思います。

「ワンストップ特例制度」の利用方法

「ワンストップ特例制度」の条件を確認したうえで、今回は4自治体、合計5種類のふるさと納税を行ったので、ここまでは私もクリアしていました。問題は「ワンストップ特例制度」を期間中に1自治体だけ処理しなかった事にありました。

「ワンストップ特例制度」の手順は以下のようにシンプルなものです。

  1. ふるさと納税を「さとふる」などのふるさと納税専用サイトや自治体の専用サイトで申し込む
  2. 納税先の自治体から「寄付金受領書」が来る(この「寄付金受領書」自体は「ワンストップ特例制度」には不要ですが、念のため保存)
  3. 多くの自治体は、「寄付金受領書」に「ワンストップ特例制度申請書」や手続き方法、送付のための封筒を同梱してくれるので、それにそって自治体に書類を返送する
    ※同梱していない場合でも「さとふる」などのふるさと納税専用サイトでは会員ページから記入済みの申請書をダウンロードできます

マイナンバーの通知カードや免許証などの身分証明書のコピーを同梱するので、あらかじめその2つを自治体分コピーして備えておけば、あとはちょっと書いて送るだけです(しかも、切手が不要な自治体も多いので費用いらず)。

ふるさと納税をすると送ってくるもの(紋別市の例)
ふるさと納税をすると送ってくるもの(紋別市の例)

ワンストップ特例制度をし損ねた経緯

昨年の1月10日締め切りの申請分は問題なくすべて「ワンストップ特例制度」で済ませられたのですが、今年は大失敗して確定申告をすることになりました。その原因は、単純に「他人まかせ」であったことと自身では分析しています。

ふるさと納税をするにあたり、自分では以下のことを必ずしています。

  • その年最初にふるさと納税をするときに、何に使うかプランを考える
    そうすることで、『納税納付先自治体が5つ』を破らないようにしています。
  • 毎年、その年の申請を11月中に済ます
    「ワンストップ特例制度」を利用するには、すべての手続きを1月10日までにする必要があります。そのため、自治体の手続き時間や自分の作業時間の余裕を見て11月にしています。

  • 自治体から送付されてきた封筒には、受け取り日時を記載し決められた保管場所にしまう
    自宅のデスクの上にある小物用の引き出しが定位置になっています。一つずつするのは面倒なので、来たものをまとめて12月中に作業します。
  • 「ワンストップ特例制度申請書」を送付した日付を「寄付金受領書」が送られてきた封筒に書いて保存しておく
    自分が送付したかどうかわからなくなりそうなので、個々の記録をそれぞれの封筒に書いておきます。

慎重に進めていたつもりだったのですが、自治体から送付されてきた封筒には、受け取り日時を記載し決められた場所に保管していたものの、すべての「寄付金受領書」が届いているかはノーチェックでした。

12月中にすべての手続きを終えて、「あれ?でもなんか少なくないか?」と確認したのも後の祭り…ひとつの自治体の封筒がなく1月10日を越えてしまいました。

因みに、「寄付金受領書は届いていない」という認識なのですが、先日確認したところ「2019年2月中に手続きし送付していることが記録されている」との返答でした。普通郵便なので私の受け取り記憶はなく、どこでこの封書が消えてしまったのかは確認の仕様がありません

そう、腹を決めて確定申告をするしかないのです。

ワンストップ特例制度申請をし損ねたら。確定申告の手順1:必要な書類をそろえる

まずは、確定申告に必要なものをすべて揃えます。

  1. 寄付受領証明書
    「寄附金受領証」、「寄附採納証明書」と書かれている場合もあります。通常はふるさと納税申し込み後に各自治体から送られてきます。
    もし手元に届かなかったらなるべく早く自治体に問い合わせをしましょう。私の場合はメールで問い合わせ後、1週間ほどで再発行してもらえました。
  2. 源泉徴収票
    ふるさと納税の対象期間の源泉徴収票が必要です。通常は12月にお勤め先から発行されているはずです。私の場合は毎年会社からPDFで送られてきますので確認がラクでした。
  3. 本人名義の口座情報
    還付金を振り込んでもらうためのものです。本人名義である必要があります。
  4. 印鑑
    確定申告の書類に押印する印鑑です。認印程度のものでOKですがシャチハタのような簡易なスタンプは使用できません。
  5. マイナンバーカードもしくはマイナンバーがわかる書類のコピー(通知カードや住民票など)
    「マイナンバーカード」を発行済の場合はその両面のコピーでOKです。私の場合は発行していないので、マイナンバーが通知された「マイナンバー通知カード」のマイナンバー表示側をコピーして使用します。
  6. 本人確認書類(免許証やパスポートなど)のコピー
    マイナンバーカードのコピーを送付する場合には不要ですが、それ以外のマイナンバーが記載された書類のコピーを送る場合は、運転免許証、保険者証、パスポート、身体障害者手帳、在留カードなどの身元確認書類のコピーが必要です。
  7. 封筒・切手
    郵送で確定申告の書類を税務署に送る場合は、封筒と切手も必要です。
  8. ワンストップ特例制度申請をし損ねたら。確定申告の手順2:確定申告書の作成

    書類や印鑑が準備できたら、次は申告書の作成をします。確定申告の申告書類は以下のいずれかの方法で作成できます。

    国税庁公式サイトの確定申告書等作成コーナーを利用する

    国税庁公式サイトの確定申告書等作成コーナーでは、Web上の申告書フォームに必要な情報を入力し、印刷して郵送するものです。

    途中でデータを保存することもできるので、途中で作業を停めたり、修正が必要となった場合にそのデータを活かすことができます。

    郵送する手間は同じですが、Web上のフォームなので計算なども自動でしてくれるところが便利です。

    確定申告書を手書きで作成する

    確定申告書は国税庁のホームページからダウンロードできます。これを印刷したものに、手書きで記入します。

    書類は税務署でも配布されているので、お近くの税務署を調べて取りに行くこともできます。

    書く手間、計算する手間、郵送する手間がかかります。

    電子申告(e-Tax)で提出する

    電子申告(e-Tax)を利用すると申告書を印刷する必要がないため、自宅にプリンターがなくても申告書を作成できるうえ、申告書の提出もパソコンで行うことができ郵送の手間も不要です。

    しかし、マイナンバーカード、ICカードリーダライターもしくはe-Taxアプリ対応のスマートフォン、事前に利用者識別番号(ID)の取得も必要です。e-Taxができるようになった頃はICカードリードライターが必須だったので、その頃に比べたら利用しやすくなったとは思います。

    この方法を試してみたかったのですが、利用者識別番号(ID)の取得をしたにもかかわらずログインしても「ID・パスワード方式の届出の提出が確認できませんでした」と出てしまい先に進めなかったので、郵送での送付に切り替えました(反映するのに時間がかかるのか?)。

    国税庁の公式サイト。ちょっとわかりにくいのが難点です。
    国税庁の公式サイト。ちょっとわかりにくいのが難点です。

    細かい入力方法については「さとふる」などのふるさと納税専用サイトが詳しいので参考になります。

    確定申告を行うと、ワンストップ特例制度による控除は無効になる?

    確定申告の情報をすべてWeb上で入力してこれで終わりか…と思ったとき、ハタと疑問が浮かびました。

    今回、「ワンストップ特例制度」を申し込むのは忘れたのはひとつの自治体だけですが、確定申告をするときにこのひとつの自治体だけを記載すればよいのでしょうか?

    国税庁の公式サイトのFAQにも疑問を解決するものはなく、色々とWeb検索をしてもダイレクトな答えはありません。しかし、ふるさと納税専用サイトの「ふるさとチョイス」のコンテンツの中に以下のテキストを見つけました。

    確定申告を行うと、ワンストップ特例制度による控除は無効になります。
    ワンストップ特例での申請書等を寄附自治体に送付していても、確定申告の必要が出てきた場合は、各自治体が発行する「寄附金受領証明書」が必要になります。自分が寄附した自治体に問い合わせて、寄附金受領証明書を取り寄せてください。ワンストップ特例申請から確定申告に切り替えた場合、申請書が提出済みであっても自治体への連絡は必要ありません。自動的に確定申告が優先されます
    引用元:ふるさとチョイス ワンストップ特例制度

    …なるほど、すでに3自治体の「ワンストップ特例制度」の申請を済ませていますが、自動的に確定申告が優先されるのであればすべてまとめて確定申告書に書かないとダメですね?

    …ということで、念のため保存していた国税庁公式サイトの確定申告書等作成コーナーのデータで、合計4自治体の寄付金額の入力を終えました。(今、ここ)

    ふるさと納税を成功させるための教訓

    あとは封筒に入れて送付先の宛先を書いて切手を貼るだけですが…100%する必要が無かった作業と考えるとかなり手間です。

    次回からは絶対にこんな作業したくない…ということで、ふるさと納税のマイルールを改訂しました。

    • その年最初にふるさと納税をするときに、何に使うかプランを考える
      そうすることで、『納税納付先自治体が5つ』を破らないようにしています。金額も控除内に抑えたいので絶対に必要な作業です。
    • 毎年、その年の申請を10月中に済ます
      「ワンストップ特例制度」を利用するには、すべての手続きを1月10日までにする必要があります。もし自治体から届いていなければ連絡を取って送ってもらう必要があるので、もろもろ余裕をみて10月中に変更です

    • 自治体から送付されてきた封筒には、受け取り日時を記載し決められた保管場所にしまう
      自宅のデスクの上にある小物用の引き出しが定位置になっています。一つずつするのは面倒なので、来たものをまとめて12月中に作業します。
    • すべての自治体の「寄付金受領書」が届いたかを11月中に確認する
      大抵の自治体は1カ月もしないで送ってくれるであろうという仮説に基づいてのスケジュールです。本当なら、来た順に「ワンストップ特例制度」の申請をすればよいのかもしれませんが、個人的には一遍に済ませた方が稼働が少なめと思うし、ひとつずつしていると何がどこまでと記録しないといけないので「まとめて申請する」は変更しません。
    • 「ワンストップ特例制度申請書」を送付した日付を「寄付金受領書」が送られてきた封筒に書いて保存しておく
      自分が送付したかどうかわからなくなりそうなので、個々の記録をそれぞれの封筒に書いておきます。

    さて、今年はどんな返礼品にしようかな?